大手ハウスメーカーの中古住宅をリノベーションした我々の事務所兼自邸です。
物件取得の2014年末から8年近く経った現在、
空き家活用や中古物件の購入は新築と並ぶ選択肢のひとつとなり、一般にも周知されました。
既存住宅状況調査など法も整備されてきています。
メリットデメリットを知って頂いた上で、
『今あるものを活用する』という最も現代に必要とされている資源の再利用・再価値化という観点を
衣食住のうちの 住まい にも取り入れて頂きたいと思っています。

写真下部に2016年竣工当時に記した建物説明を載せています。
こちらもぜひお読みください。




before


空家問題や過剰住宅供給といった社会問題への関心,
資産価値(減価償却資産の耐用年数と材寿命とのギャップ,土地のみが資産となる経済構造),
初期費用を抑えるという総合的な判断から,中古住宅のリノベーションを選択した。
設計施工元のハウスメーカーの耐震診断により,
現在の耐震基準を満たし,且つ躯体は健全である事が分かった。
その為申請機関に相談をし、申請を要さない工事内容とした。
内部は構造上主要な部分を残し新装している。
プレハブ特有の細い構造材を露出してインテリアに取入れ,
2F床を一部グレーチングにして二層に分断されていた空間に広がりと変化を与えた。
外部は既存を利用・補修し,過半でないS造部外壁の2面のみを新装し,風景を取込む為に開口部を移動した。
外装全てをシルバーで抽象化する事で,プレハブ創成期の姿と新旧混在した意匠となった。

この事例は,内外共に時代に合わなくなった大量生産住宅の建築的価値の向上のみならず,
健全な既存部を利用し社会・経済・資産面においても
総合的に価値化する実験住宅になったと考えている。



<受賞>
第33回リフォーム推進協議会会長賞 受賞(https://www.refonet.jp/csm/case/doc/contest_33/04.pdf)
第7回サステナブル住宅賞 奨励賞受賞(https://www.ibec.or.jp/sustainable/housing/7th/07.html)
HEAD研究会 x リミア リノベコンペティション2017 グランプリ受賞(https://limia.jp/idea/73938/)

<メディア>
201610   日本テレビ ヒルナンデス!「女性一級建築士のお宅覗くんデス!」出演
201707   リノベコンペティション2017 グランプリ受賞者インタビュー 👉リノベを愛する人たちへ
201909   BSテレビ東京 「突撃!隣のスゴイ家」出演201



2016
神奈川県川崎市
個人住宅 リノベーション
RC+軽量鉄骨造 3F
延床面積:120㎡

共同設計:浦木拓也(㈱日本設計)
構造協力:正木構造研究所
施工:株式会社 大作
写真:浦木建築設計事務所